LP制作(ランディングページ)の費用相場はどのくらい?内訳と見積りのポイント
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LP(ランディングページ)の制作を検討するとき、複数の制作会社から見積もりを取るのが一般的ですが、出された見積もりの金額に戸惑った経験がある方もいるのではないでしょうか。
LP制作は「1ページ」だけの制作であるにも関わらず、その「1ページ」の費用が制作会社によって10万円単位で金額が異なるからです。
なぜそんなに制作会社によって金額が大きく違うのか。その理由は「まかせる作業の範囲」です。制作会社が請け負う作業範囲によって、LP制作にかかる費用は大きく変わってきます。
そこで本記事では、LP制作における費用をテーマに、「見積もり内訳」や「費用の相場」について解説します。
Index
LP制作の見積り内訳詳細
LP制作では、以下のような工程が必要となります。
- ヒアリング
- 調査・分析
- 構成案作成
- コピー&ライティング作成
- デザイン作成
- HTML/CSSコーディング
- フォーム制作
- 広告結果分析&修正作業
Web制作会社の見積書では、上記の工程の中で制作会社が請け負う範囲にもとづいて金額を算出します。つまり、上記すべての工程を制作会社が行うのであれば見積もり金額は高額になり、自社で行う工程が多ければそれだけ見積もり金額は低くなるわけです。
たとえば、Webサイトの構成作成やテキストコンテンツは自社で用意し、デザイン・コーディング・各種フォームの制作は制作会社にまかせる、といったイメージです。そうすれば、技術的な部分だけ限定的に依頼することができるので、安価に抑えることができます。
しかし、LPは成果が出なければ意味がありません。実は最も重要なのはデザインのかっこよさなどではなく、「コピーライティング」や「構成」です。
顧客に訴求するためにはどうすれが良いか?市場や競合の調査分析を行い、LPに関して戦略的な提案やコンサルをおこなってくれる制作会社と組むことは、結果に繋がります。「戦略策定からトータルで制作会社に任せたい」という場合には、費用は高額になってきます。
Web制作会社によっても、どの工程に強みがあるかは異なります。自社にあった制作会社を見つけるためには、対応範囲を考慮して判断しましょう。
料金・相場別のランディングページの制作範囲例
LP制作の制作費用が、数万円から数十万円と様々である理由は、
- 自社が行う工程の範囲
- 制作会社にまかせる工程の範囲
上記の作業バランスの取り方によって変わってくることをお伝えいたしました。
次に、4つの具体的な費用感を元に、「この金額であれば、ここまで対応してくれる」といったケーススタディーをまとめました。
あくまで目安ではありますが、参考にしてみてください。
制作費用が10万円以下
こんな企業におすすめ
- 安くしたい
- とにかく申し込みの「場所」があれば良い。クオリティにはこだわらない
- テキストや写真などの素材は自分たちで用意できる
費用が10万円以下のケースは、以下のような制作になるでしょう。
- 発注先:フリーランスor安さを売りにしているWeb制作会社
- 制作期間:1週間~2週間程度
- 運用開始後のサポート:なし
「とにかく安くLPを用意したい!」という企業向けの価格帯と言えます。
例えば、早急にLPを公開しなければいけない人であれば、ゆっくりと作っている時間が無いわけですから、このようなクイックで安価なプランが良いでしょう。
また、商品やサービスの魅力を説明する必要が無いLPというのも存在します。LPの多くは広告を用いて集客して、LPに訪れたユーザーを説得することで「購入」「契約」を促しますが、それをする必要が無いケースです。コアなファンが購入する気満々で訪れたり、すでに申し込みの意思が固いユーザーが訪れるLPです。その場合は、「ただ申し込むページがあれば良いだけ」ですから、時間をかけて戦略的なLPを作る必要が無いため、安価なプランで十分かもしれません。
10万円以下の安価なLPは、0から制作せずに、既存のテンプレートを用いて制作することが多いです。
制作費用が10~30万円の場合
こんな企業におすすめ
- LP全体の構成やコンテンツは自社で用意できる
- 戦略設計・競合調査などは自社で対応できる
- テンプレートではなく、自社ターゲットに合ったオリジナルのデザインが欲しい
- デザインやコーディングといった専門領域だけ任せたい
費用が10~30万円のケースは、以下のような制作になるでしょう。
- 発注先:フリーランスorWeb制作会社
- 制作期間:2週間~1ヶ月
10万円以下のケースとくらべて、よりLPのデザインやレイアウトのクオリティにこだわりたいときに検討する価格帯です。一般的に、LP制作として受発注されている費用感は、この料金体であることが多いです。
構成が決まっていて、テキストや写真素材の提供がある状態での制作となります。デザイナーとコーダーが稼働する費用のみで作るため、比較的安価に制作することができます。デザインテイストの希望を伺い、オリジナルなデザイン制作を提供することが可能です。
マーケターやディレクターが在籍する広告代理店や、社内にWebリテラシーが高い担当者がいる企業であれば、この予算でWeb制作会社に発注することで十分に質の高いLPを制作することが可能です。
制作費用が30~60万円の場合
こんな企業におすすめ
- 準備段階からプロに参加してもらうことで、より成果が見込めるLPを作りたい
- 顧客・競合:業界調査といったLPの戦略にかかわる部分もプロの手を借りたい
- テキストのキャッチコピーやボディコピーを作りこむことで、他社に勝てるLPに仕上げたい
費用が30~60万円のケースは、以下のような制作になるでしょう。
- 発注先:Web制作会社
- 制作期間:1ヶ月~2ヶ月
この価格帯から、戦略設計とテキスト作成もプロにまかせられます。プロならではのノウハウを用いて業界・競合・市場の分析・調査を行い、オリジナルのデザインやレイアウトはもちろん、テキスト原稿の作成もまかせることが可能です。
こうなってくると、各分野のプロ(マーケター、デザイナー、コーダー、コピーライター)などがチームで進める必要があるので、発注先としてフリーランス(個人)の方に依頼するのは難しくなってくるように思えます。LP実績が豊富で、各分野の担当者が在籍するWeb制作会社に依頼することになるでしょう。
成果が見込めるLPをしっかり作り込みたいときに検討すべき価格帯で、制作会社にとっても顧客の期待に応えやすい価格帯と言えます。「少々高いな」と感じる人も多いかと思いますが、その後に広告で消化する予算を考えれば、LP制作の段階で質の高い取り組みにするべきです。LPの内容によってCV率は変わってくるので、ここで投資しなければ後々の広告予算が無駄に垂れ流しになってしまうと考えられるからです。
制作費用が60万円以上の場合
こんな企業におすすめ
- LP運用開始後も万全のサポートが欲しい
- 戦略設計から運用開始後の分析・改善まで、ワンストップでお願いしたい
- 大きな成果が見込めるLPが欲しい
- ノウハウ・実績が豊富な制作会社にまかせたい
- LPを使ったWebマーケティングに本格的に取り組みたい
費用が60万円以上のケースは、以下のような制作になるでしょう。
- 発注先:Web制作会社orWebマーケティング会社
- 制作期間:1ヶ月~2ヶ月
この価格帯は、LPO(ランディングページ最適化。運用開始後の改善も含む)も担当することを想定しています。LPを制作するための費用はもちろんですが、戦略や運用開始後の改善に対するコンサルティング費用の分だけ金額が高くなっているイメージです。
ヒートマップツール(ユーザーがLPのどこを閲覧しているか確認するツール)の活用やABテスト(異なるパターンを作成してユーザー行動を定量的に計測する)などを実施して、裏付けを元にクライアント企業におけるLPの勝ちパターンを見つける伴走型です。
デザインやコーディングといった技術的な制作だけでなく、LPに特化したマーケターが仮説検証を繰り返してくれます。
その他の制作費用が上下する要素
「制作会社がどこまで対応してくれるのか」によって、LP制作費用相場の考え方を理解していただけましたでしょうか。
もちろん、上記は目安ですので、プロジェクトごとに他の要素が合わさって金額が上下することもあります。
ページボリューム
業界や商品、サービスはそれぞれ異なるため、LPの中で伝えたいことのボリュームも変わってきます。ページボリュームが少なかったり多くなったりするわけで、そうすると、デザイン作業の「量」コーディング作業の「量」は比例して多くなるため、制作コストに影響を与える場合があります。
LPには、「AIDMA」や「PASONA」といった“構成”のフレームワークがあります。ユーザーを説得してサービスを購入させるためには、「興味を引かせる」「共感を生む」「メリットを訴求する」「行動をさせる」といった、LPの王道パターンの構成が存在するということなのですが、それらの構成に沿ってコンテンツを作っていくため、LPというのはある程度ページボリュームが決まってきます。そのため、あまりページボリュームでLP制作の見積もりを変えることは基本的には無いです。
あまりにもボリュームが大きいときは追加費用の相談をすることがあります。逆に内容が少ないLPの場合は、ディスカウントさせていただくこともあります。
画像素材やイラスト
ユーザーの目を引くような画像やイラストをどのように用意するかで、オプション料金が追加されることがあります。化粧品や食品のLPであれば、その商品写真は最も重要な要素の一つであり、撮影が必要であればカメラマンの手配や写真のレタッチ費用が必要となります。また、わかりやすく解説するイラストを掲載したいのであれば、イラストレーターに依頼してオリジナルのイラスト制作にコストが発生します。
エンジニアによるリッチなアニメーション表現
LPはページを通して、ユーザーを説得しなければいけません。商品・サービスの種類にもよりますが、コンテンツが動くリッチなアニメーション表現を用いることで、ユーザーの興味関心や信頼感を醸成することができるケースもあります。そのような場合には、アニメーション専門のエンジニアがアサインされるため、その分費用が多くかかります。
スマートフォン対応
LPをスマートフォンレスでも閲覧しやすく対応する方法に「レポンシブ対応」というものがあります。PC・スマートフォン・タブレットなど、閲覧する端末の画面サイズに合わせてLPの表示を変化させて閲覧しやすくすることを言います。
LPがPCでしか見られないのであれば、レスポンシブ対応を行う必要はありません。実はPCのみで良いのであれば、制作はとても楽で簡単な作業になります。デザインしたデータをそのまま画像の状態で掲載すれば良いからです。しかしスマートフォンでも見れるようにするためには、そうはいきません。デザインされた画像や素材をすべて別々の要素として切り分けて、「PCの場合はこう表示する」「スマートフォンの場合はこう表示する」といった設定を、ページの上から最下部まで細かく設定しなければならないから大変です。
現在は、モバイルファーストという言葉ができるほど、Webサイトをスマートフォン端末に最適化させることが重要になっています。しっかいrとレスポンシブ対応がされる予定なのか、見積もり段階で制作会社に必ず確認を取りましょう。
制作以外でかかる費用
見積りの内訳や、費用相場別の解説でも言及しましたが、LPそのものの制作以外に下記のような作業でも予算を考えなければいけません。
- 広告運用
- LPO(LP最適化)
LPは作って終わりではなく、広告運用で集客することでCV(コンバージョン)獲得を目指す取り組みの一部です。
広告にはFacebook広告やGoogle,Yahooのリスティング広告などいくつかの種類があり、商品・サービスの特性に合わせて適切な広告媒体を選定し、広告出稿を行う必要があります。広告に詳しい担当者が社内にいない場合、広告運用を代行することも検討するべきでしょう。
広告代行の費用相場は、広告予算規模に比例することが多く、「広告予算全体の20%」といった約束をして委託したりします。
また、広告運用が終わったら、今回の取り組みがどうだったのか?分析を行い、次回の施策に反映することも重要です。LP運用は質の高い検証と改善をどれくらい繰り返すことができるかが鍵となってきます。この改善を繰り返し、最適解を探していく取り組みを「LPO(LP最適化)」と言います。
中・長期でLPによる広告施策を計画されているのであれば、LPOの専門家にアドバイスを貰いながら、常に改善を繰り返すことができる体制づくりを整えることも大切です。
まとめ
LP制作は、費用にバラツキが生まれにくいサービスです。なぜなら1ページしかなく、その構成にも有名なフレームワークが存在するため、制作の労力に大きな差が生まれにくいからです。
ただ、戦略的な取り組みである「市場調査」「競合分析」といった準備段階のサポートや、「広告結果の分析」「改善提案」といった運用サポートなどなど、マーケターとしての支援ができるかどうかで、費用相場は大きく異なってきます。
自社がLPを作る目的に合わせて依頼範囲を決定し、費用の検討をしていただければと思います。