ヒートマップでLP改善!ユーザー行動の分析方法を解説
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LP(ランディングページ)による成果を上げるためには、常に分析と改善を繰り返す必要があります。広告運用から思ったような成果が上がらず、悩んでいるマーケティング担当者も多いのではないでしょうか。
ただし、やみくもに施策を打っても良い効果は期待できません。根拠のある質の高い仮説を立てて、プランを実行することがLPによる成果への近道です。今回は、LP改善の取り組みに有益な「ヒートマップツール」について紹介します。これから分析ツールの導入を検討している方は参考にしてください。
Index
ヒートマップ分析ツールとは?
ヒートマップツールとは、Webページを見たユーザーが、「どこに興味を持っているか」を把握することができるツールです。
ページの中で関心の高いエリアの色を「赤」、あまり見られていないエリアを「青」といった視覚的なデータとして、ユーザーの行動履歴を表現します。
この視覚的なデータから、「どこをクリックしたか?」「どの部分での滞在時間が長かったか?」、「どこまでスクロールされたか?(つまり、どこまで読まれたか?)」など、ユーザー行動を分析して改善活動に利用します。論理的に改善すべき部分を明確にすることができるため、LP(ランディングページ)の質を高めていくために最適なツールとして、多くの企業で導入されています。
ヒートマップツールでできること
ヒートマップツールをサービス提供している企業は多数あります。そのサービスの多くでは、Webマーケティングツールとして様々な機能と一緒に提供していて、昨今は高機能なツールとなってきているようです。そのため実際のツールを比べるとわかりにくいのですが、そもそもヒートマップとは何ができるツールのことを言うのか?基本的な3つの機能を紹介します。
クリック/タップ位置の可視化
ヒートマップツールではユーザーがクリック/タップした位置を可視化できます。
例えばLPに複数のCTA(申し込みページへの遷移ボタンなど)を設置している場合、どのCTAがクリックされているか確認可能です。どのCTAが成果に貢献しているのか?逆に、貢献していないCTAをはっきりと把握することができます。
クリック率が低いCTAには「直前のテキストコンテンツの質が低い」「CTAデザインが訴求力が弱い」など、改善のための仮説を見つけることができるでしょう。また、思いがけずユーザーの関心度の高いコンテンツ(リンク要素)を把握することもできるかもしれません。
アテンション(注目度)の把握
アテンション(注目度)とは、ユーザーの興味を惹いているコンテンツを可視化する指標です。ヒートマップツールでは「滞在時間の長さ」が色で表示され、アテンションが把握できます。
ユーザーがじっくり見るコンテンツ(熟読エリア)がわかれば、「ユーザーが知りたいこと」「解決したい疑問点」もわかります。
スクロール率の把握
ヒートマップツールでは、スクロール率(LPがどこまで読まれたか)も把握できます。
スクロール率により「ユーザーに見せたいコンテンツ」が閲覧されているか確認可能です。またスクロール率が急激に下がる「離脱ポイント」も見つけられます。
ヒートマップツールを用いたLP改善方法
ヒートマップツールから得られるデータについてご紹介しました。それでは、それらのデータをもとに、どういったLP改善施策に取り組んでいけばいいのでしょうか。具体的な方法と考え方について紹介します。
クリック/タップ位置を使ったLP改善方法
CTAのデザイン改善
期待ほどCTAがクリックされていない場合、CTAのデザインやテキストを改善します。CTAのデザインによっては、ユーザーに迷いが生じたり見落とされたりするからです。例えば「CTAを目立つ色・大きさにする」「テキストに具体的なメリットを入れる(○%オフ、○日でお届けなど)」などの改善策があります。
誤タップ防止のためのデザイン改善
リンクやCTAではないところでクリック/タップが多い場合も、デザインを改善します。「ボタンだと思って押したのに違った」という体験がもしあれば、ユーザーにとってストレスになるはずです。ユーザーの勘違いを誘発しないよう、ボタンを表現するようなデザインのあしらいやアイコンを設置しないようにする、といった配慮は必要です。
ユーザーが求める情報の強化
クリック/タップ位置をもとに、ユーザーが望む情報の強化・深掘りもできます。クリック/タップはユーザーの「もっと情報が欲しい」という気持ちの表れだからです。例えば「クチコミの切り替えボタン」が多くクリック/タップされているなら、クチコミ数を増やしたり見やすくしたりといった施策を試してみましょう。
アテンション(注目度)を使ったLP改善方法
熟読エリアを上部へ移動
「熟読エリア」を見つけたら、できるだけ上部に移動するのも良いかもしれません。LPを上から下まですべて読んでくれるユーザーは少ないので、熟読エリアを上部に置くことで、より早い段階で興味関心を持ってもらえる可能性が高まります。
また熟読エリアの情報を深掘り(情報の追加や強化)をしたり、熟読エリアの直下にCTAを設置するのもおすすめです。
滞在時間が短いコンテンツを下部へ移動
滞在時間が短いコンテンツはページ下部に移動させることで、ページ上部の離脱ポイントを減らすというものです。
「どうしても読んでほしいコンテンツ」の滞在時間が短い場合、「見出しを目立たせる」「画像を変更する」などして改善します。改善の余地がなく掲載する必要もないなら、一旦削除することも検討してください。
スクロール率を使ったLP改善方法
ファーストビューの改善
「ファーストビュー直下のスクロール率」が急低下するなら、ファーストビューを改善します。ファーストビューに何らかの問題があり、ユーザーが求めていた情報やイメージと乖離があったと考えられます。ユーザーニーズに沿うよう画像やキャッチコピーを入れ替えたり、ファーストビューにCTAを設置したりして、ABテストを実行しましょう。
離脱ポイントの検証・改善
離脱ポイントの高いエリアがあれば改善が必要です。ユーザーがコンテンツに対する興味を失った明確なポイントであるため、離脱の原因を検証し、情報を追加したり削除したりしましょう。
CTA付近で離脱しているのなら、申込ページに遷移していると考えられるので問題ありません。
ヒートマップツールを使ってみよう
このように非常に便利な機能を持つヒートマップツールですが、その種類は数多くあります。ここではそんなヒートマップツールのなかから代表的なものを4つ取り上げ、それぞれの特徴と強みについて紹介します。
マーケティングツールとして各社特徴がありますので、ヒートマップツールを導入したいLPの「サービス・商品」や「広告運用」などの形式に合わせて、最も相性が良さそうなサービスを検討しましょう。
MIERUCA
出典:https://mieru-ca.com/heatmap/
MIERUCAは非常にわかりやすくシンプルなUIが評判で、初めての人であっても直感的に操作しやすいツールです。Webツールの失敗例として最も多いのは「導入して見たものの、使いこなすことができずにお金だけ毎月払ってた…」というものですが、使いやすいUIであれば関係者の人が負担なく使い続けることができるので、そのような失敗も防ぐことができます。
アクセス解析の専門家による無料セミナーが開催されていたり、ヒートマップツール初心者のサポートが手厚い点も安心です。
機能がとても充実しているサービスですが、中でも便利なのが、「事前登録したページの解析結果を毎日自動でキャプチャを保存してくれる」といった機能です。この機能を使えば、過去のページと現在のページを比較しやすくなるため、「変えた結果として、どれくらいの効果があったか」把握しやすいとマーケターからも好評です。
User Heat
User Heatの特徴は、無料利用範囲が広いことです。ヒートマップツールは各社それほど安価なものではありません。無料プランを用意しているところもありますが、できることには限界があります。
たとえばMIERUCAの場合は無料で利用できるプランの適応範囲は「計測PV数3,000まで」となっています。対してUser Heatの場合は、無料でも30万PVまで分析が可能です。そのため、「まずは課金なしでヒートマップツールというものに触れたい」と考える人に向いています。
SiTest
SiTestは、ヒートマップとその他の機能の連携に強みを持っています。具体的には、エントリーフォームの最適化(EFO)やA/Bテストといった機能です。ヒートマップは分析手法の一つとして捉え、幅広い分析機能を用いてオールインワンでLPを用いたマーケティング活動を行いたい方に向いているツールと言えます。
また、サポート体制が充実しています。Webツールは外資の場合サポートが不十分なケースも多いのですが、SiTestの場合は日本で開発も運営もしているため、UIや機能説明はすべて「自然な日本語」です。英語自体や英語の言い回しに慣れていない人であっても、気軽に取り組めるのは魅力です。SiTestでは導入前にデモを利用でき、契約後もSiTestを使いこなすためのサポートを無料で行っています。
Ptengin
“タグ実装から5分で利用開始”を謳っているPtengineは、Microsoftなどの大手企業に利用されています。データ収集から効果の検証までを非常にスピーディーに行えるのがPtengineの魅力なのですが、外部のデータをPtengineに接続(※コーディング不要)を柔軟に行うことができるのも評価されています。
Ptenginは国内利用者数・国内顧客数NO1のヒートマップツールです。もちろん人数だけがすべてではありませんが、この数字は、いかにPtenginが高く評価されているかの指標にはなるでしょう。
さいごに
ヒートマップツールは、実際に導入しようとするとサービスの数が多く、利用料もそれなりに必要です。ユーザー行動をデータとしてしっかりと把握して、マーケティング活動に活かさなければいけないと頭でわかっていても、なかなか導入できずにいる企業も多いのではないでしょうか。
ただ、LPを用いた広告運用においては、その精度を上げる取り組みが非常に重要です。広告予算に対してのコンバージョン率が1%違うだけで、大変な費用対インパクトを生み出します。
無料枠を設けているサービスもありますので、ぜひ一度使ってみて、自社のLPも問題点・課題を把握するきっかけを体験してみることをおススメします。