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編集プロダクション(編プロ)

東京の編集プロダクション(編プロ)10選|失敗せずに選ぶコツも紹介!

コンテンツ制作を外部に依頼する場合、心強い味方になってくれるのが編集プロダクションです。企画・取材・執筆などをまとめて外注できるため、出版社の編集部や企業のメディア事業部などが自社でスタッフを抱えることなく、必要なときに必要なだけ「記事原稿」や「撮影素材」などを制作することが可能となります。

一方で「編集プロダクションの選び方・探し方がわからない」「付き合いのある編集プロダクションの納品物に品質のムラがあって困っている」など、お悩みの担当者の方も多いでしょう。

そこでこの記事では「編集プロダクションはどんな会社か」「外注先の見つけ方や選ぶ際のポイント」を解説します。最後まで読んでいただければ、自社に最適な編集プロダクションの選び方がわかるはずです。

編集プロダクションの基礎知識

編集プロダクションが担当する業務の範囲

編集プロダクションは、もともとは出版に関わる業務のうち「編集」に特化している会社です。出版社のように版権はもたず、「印刷」「販売」「営業」などは行いません。

具体的にはクライアント(出版社、企業の広報部など)から書籍・広報誌・フリーペーパーなどの「企画」「取材」「記事作成」を請け負うのが、編集プロダクションの仕事でした。取材や記事作成に関しては、編集プロダクションから提携するフリーライターに外注されるケースもあります。なお広告代理店から広告制作を請け負う編集プロダクションは、一般的に「制作会社」と呼ばれます。

編集プロダクションに編集を依頼する主なメリットは、以下のとおりです。

  • プロによる高い品質管理
  • 企画やアイデア出しもサポート
  • 進捗管理を任せられる
  • 校正・校閲でミスを減らせる
  • ライターの採用・教育コストが不要

まとめると「時間・労力を抑えつつ、高いレベルのコンテンツ制作が用意できる」と言えるでしょう。

編集プロダクションでは編集・コンテンツ制作のプロ(編集者、ライター、カメラマン、イラストレーターなど)がチームになっています。そういったチームのマネジメントや指示出しを自社で行うとなると大変であるため、そこの負担を大きく減らすことができるでしょう。

編集プロダクション(編プロ)

「斜陽」と言われる編集プロダクションの市場環境

近年は出版不況が続いていることは周知の事実ですので、それに伴って編集プロダクションも将来の見通しが暗いと思われるかもしれません。実際、ブランド力が高かった雑誌の廃刊や、大手出版社の倒産など、出版業界には暗いニュースもありました。

消えていく身近な書店

出版業界の不景気を感じる顕著な例が、書店の閉店です。出版科学研究所によると、2003年には2万店強だった書店数は、2022年には1万1000店ほどに減少およそ20年で、書店の数は半数近くに減ってしまったことになります。

オンラインで書籍を購入する人が増えたことが影響しているのは間違いありません。気になる書籍があればネットで検索することができますし、購入すれば自宅まで届けてくれます。わざわざ売り場まで足を運ぶ必要がありません。他の読者の口コミや評判を参考にすることもできます。

人気の雑誌も廃刊、大手出版社は倒産

チケット購入のための情報誌として絶大な人気を誇っていた『ぴあ』、映画ファンの御用達『ロードショー』、写真週刊誌の祖『フライデー』かつては身近にあったこれらの雑誌は、廃刊となってしまいました。愛読していた雑誌の廃刊に、ショックを受けたファンは少なくないはず。

かつて就職先として人気だったような出版社も、倒産が相次いでいます。健康志向の人びとに支持されていた雑誌『壮快』のマキノ出版、趣味や美容に特化した雑誌で知られたエイ出版社倒産のニュースには驚きました。

定額で読み放題!サブスクの登場

さらに出版業界の収益モデルを根幹から覆したのが、定額で読み放題というサブスクの登場でした。一冊づつ買わなくても、毎月定額の支払いで雑誌や書籍を無制限に読めるという新しいスタイルは、出版業界にとって大きな転換期となったでしょう。

紙媒体の雑誌・書籍は、物理的なスペースも必要とします。コレクターとして雑誌を手元に置きたい人をのぞけば、電子書籍で十分楽しめます。様々な雑誌を好きな場所で好きなだけ読める。利用者数は年々増加しています。

それでも大きく変わった環境に勝機あり?

このように苦境に立たされている出版業界ですが、二人三脚で歩んできたのが「編集プロダクション」です。出版社や広告企業から、書籍や雑誌の編集・企画を請け負ってきた編集プロダクションは、今後どうなっていくのでしょうか。

出版業界の不況は、「スマートフォンの登場による娯楽の多様化」や「サブスクといったコンテンツ消費方法の登場」によって、本離れが加速したことは上述の通りです。日本の書籍販売数は下がり続けていました。しかし実は、2018年の販売数を底値に、2019年以降は少しづつですが販売数が増えています。

その理由のひとつが、電子書籍の販売増です。

「人々のコンテンツを楽しむ方法が多様化した」のと同時に、コンテンツを提供する場所は増えているとも言えます。そこが編集プロダクションにとって未来が明るいと捉えることができるポイントと私たちは考えています。

現在、編集プロダクションの仕事は紙媒体のコンテンツだけを対象としているわけではありません。次代に合致したコンテンツを提供するためにポイントとなるのが、編集プロダクションの力量とも言えるのです。

編集プロダクション選びのポイント

東京を中心に、各地には大小の編集プロダクションが多く存在しています。昔のように大所帯の編集プロダクションは少なくなりましたが、それでも歴史ある編集プロダクションや、一人社長のような形で運営している小規模プロダクションも多数あり、実際に業務を依頼したいときには、その選定には迷われるかもしれません。

しかしいつまでも企画編集業務を自社で行おうとすると負担になります。社員の業務を圧迫して疲弊してしまうかもしれません。ときに教育した社員が退職してしまうこともあり、ノウハウを蓄積することも簡単なことではありません。可能であれば、信頼できる提携先である編集プロダクションの選択肢を、複数もっておくことをオススメします。

企画の段階から編集のプロを揃えたプロダクションに丸投げしてしまったほうが、あらゆる意味で効率があがります。企画や取材、撮影や最後の校正にいたるまで、編集のプロが揃っている編プロならば、企業の欲する答えをきっと導き出してくれるはずです。

ここでは、編集プロダクション選びのポイントを紹介します。

①どのジャンルに強い編集プロダクションか?

まずはどのようなジャンルの実績があるかチェックしましょう。

例えば紙媒体の編集を多く手掛けている編集プロダクションなら、「旅行・グルメ系」「美容系」など、各ジャンルに特化型した有能なライターとのネットワークが広く、安心して依頼できます。

また広報誌に著名人のコラムを掲載したい場合、タレント事務所とのネットワークや交渉力が必要になってくるかもしれません。大手出版社や広告代理店出身の編集者であったり、著名人・タレントキャスティングの経験が豊富なディレクターが在籍する編集プロダクションなのか、見極める必要があります。実際、不慣れな編集プロダクションを利用したことが原因でトラブルになり、大御所タレントが大激怒。企画が倒れてしまった!といった事件を見たこともあります。

「堅め」「賑やか」など、得意な誌面デザインも会社により違います。苦手なデザインを依頼しても品質は良くなりにくいので「叶えたい誌面イメージに近い制作物の実績がある会社」を選んでください。
公式サイト等で取引先企業や制作実績がわかり、得意ジャンルがはっきりしている会社なら安心して依頼できます。

②マネジメント力・進行管理力はあるか?

編集プロダクションのマネジメント力・進行管理力もチェックしておきましょう。文章を書くだけであれば、それは「ライター」です。文字を綴ることが得意なライターが独立するケースもありますが、編集プロダクションは文字を綴るだけが仕事ではありません。雑誌やメディアなどの媒体があり、そこに企画が存在します。たくさんのプロフェッショナルな人材が関わるプロジェクトにおいて、スケジュール通り成果物を納めることができてはじめて、編集プロダクションと呼べます。その能力においては、編集プロダクションには差がありますので、見極める必要があります。

担当者に、「クライアントの意図をきちんと汲み取る能力があるか」が重要です。意図がズレて伝わると、イメージと違う制作物が納品される可能性があるからです。また編集プロダクションは各クリエイターをマネジメントします。納期に間に合うよう進捗管理するのはもちろん、クライアントのニーズ・目的に沿った制作物ができるよう、各クリエイターを統率するマネジメント力が必要です。

そのため問い合わせや見積もりの段階で、担当者の対応をチェックしておきましょう。「企画シート」など、編集作業を円滑にすすめるためのツールを用意している編集プロダクションもあります。

コミュニケーション力・マネジメント力

③マーケティング力と企画力はあるか?

コンテンツが掲載される媒体が多岐に渡る現代、マーケティングの知識は編集者にも求められます。なぜなら、そのコンテンツがどのような人たちに読まれて、どのようなニーズを満たすために役に立っているのか理解ができないと、そもそも企画編集段階で的を得たアイデアを出すことが難しいからです。

雑誌の編集だけをおこなっていた時代は、マーケティング活動や雑誌のブランディング、ターゲット策定などは出版社が行っていました。そして雑誌の路線が定まっていれば、雑誌は読者に選ばれる側の存在でした編集者は雑誌のコンセプトを理解して、編集長が指し示す方向性に沿ったコンテンツを作ればよかったのです。

しかし現在は違います。書店に並ぶ雑誌のほかに「タブレットで楽しまれる電子書籍」「スマートフォンで閲覧されるWebの無料記事」「月額サブスクで契約された有料ニュースサイト」など、読者が読む動機や心理的状況、趣味嗜好など本当に複雑になりました。いま、このコンテンツを読む読者は何を考えているのか?そしてその人にはどのように何を届ける必要があるのか?編集者自身が考えて企画を練る必要があります。

強いジャンル別~東京の編集プロダクションを紹介~

外注先選びにあたっては「制作したいジャンルの実績があるか」が重要なポイントです。そこでこの章では、ジャンル別の「おすすめ編集プロダクション」を紹介します。ぜひ外注先探しの参考にしてください。

【医療分野に強い】株式会社フォーライフメディカ

株式会社フォーライフメディカ
出典:http://www.flmed.co.jp/index.html

フォーライフメディカは医学・医療関連の書籍の編集実績が豊富な編集プロダクションです。

専門書のほか、一般読者・患者向けの書籍も手掛けているので、読者の知識レベルに合わせた記事・コンテンツ制作が期待できます。「セミナーの記録集」「医師のインタビュー記事」にも対応可能です。

【ビジネスに強い】有限会社ケイズプロダクション

有限会社ケイズプロダクション
出典:https://www.ks-pro.co.jp/

ケイズプロダクションはビジネス(とくに投資・副業)ジャンルに強い編集プロダクションです。宝島社や角川書店などの有名出版社を取引先にもちます。

企画から編集まで一貫制作できますが、「取材と執筆のみ」などの個別対応も可能です。スタッフ数が多く、ボリュームの多い案件や急ぎの案件にも対応できる強みもあります。

【心理学に強い】株式会社サイコノミスト

株式会社サイコノミスト
出典:https://www.psychonomist.co.jp/

サイコノミストは心理学分野に強い編集プロダクションです。前身はFP事務所なので、資産運用などマネージャンルに強いのも特徴です。

企画から編集まで対応できるほか、「ライティングだけ」といった対応も可能です。紙媒体の実績も豊富なので、長文記事にも対応できます。

【歴史に強い】株式会社榎本事務所

株式会社榎本事務所
出典:https://enomoto-office.com/

榎本事務所は歴史ジャンルに強い編集プロダクションです。歴史関連書籍の編集はもちろん、「歴史コンテンツの史実チェック」「歴史ゲームの監修協力」の実績もあるので、安心して依頼できます。

また「作家を目指す人向けのノウハウ本」「教育機関のカリキュラム監修」なども手掛けており、「わかりやすく伝える」ことに長けた編集プロダクションでもあります。

【金融に強い】株式会社回遊舎

株式会社回遊舎
出典:http://www.kaiyusha.net/

回遊舎は金融分野に特化した編集プロダクションです。金融関連の「書籍・雑誌の企画・編集」から「セミナー開催・企業向け研修」まで手掛けており、まさに金融ジャンルのプロといえます。

人気FPとのコネクションもあるため「著名FPの取材記事がほしい」といった依頼もしやすいでしょう。Webコンテンツの作成にも対応できます。

【旅に強い】有限会社スタジオ・ページワン・コーポレーション

有限会社スタジオ・ページワン・コーポレーション
出典:https://www.studio-pageone.com/

スタジオ・ページワンは旅に強い編集プロダクションです。代表者が「日本旅行作家協会理事」「旅行記者クラブ会員」であり、有名旅行代理店であるJTBを取引先にもちます。

旅といえば「グルメ」もセットになることが多いため、グルメ分野の実績も豊富です。雑誌・書籍のほかパンフレット制作にも対応しています。

【料理に強い】株式会社SORA企画

株式会社SORA企画
出典:https://sorakikaku.com/

SORA企画は料理に強い編集プロダクションです。人気料理家や人気レシピサイトの本を手掛けた実績があります。

公式サイトや制作実績を見ますと、可愛らしい雰囲気の制作が得意なことがわかります。紙媒体のほかWebコンテンツの企画・制作も可能です。

【学問・ファイナンスに強い】有限会社バウンド

有限会社バウンド
出典:https://www.bound-jp.com/

バウンドはファイナンス系に強い編集プロダクションです。ダイヤモンド社、東洋経済新報社など、ビジネスジャンルで有名な出版社を取引先にもちます。

社員自らFXや仮想通貨に関する本を出版していることから、知識の深さがわかります。紙媒体だけではなくWebコンテンツにも対応可能です。

【エンタメに強い】株式会社ブロックバスター

株式会社ブロックバスター
出典:https://webbb.net/

プロックバスターは「タレント」「アーティスト」など、エンタメ系に強い編集プロダクションです。有名なアイドルやお笑いタレントのコンテンツ制作に携わった実績があります。

編集者を中心にクリエイターがチームを組み、企画から制作までトータルでサポート可能。紙媒体・Webコンテンツ制作のほか、「グッズ制作」「イベントのコーディネート」ができるのも特徴です。

【デジタルコンテンツに強い】株式会社エクスライト

株式会社エクスライト
出典:https://exwrite.net/

エクスライトはWebコンテンツに強い編集プロダクションです。具体的には「オウンドメディアの立ち上げ」「SNSコンテンツの制作」の実績が豊富で、ソフトバンクやソニービジネスソリューションズのオウンドメディアに携わっています。

コンテンツに適したクリエイターを起用することにこだわり、企画・記事のクオリティ向上をはかっています。Webコンテンツの企画・制作外注を考えているなら検討したい編集プロダクションです。

酷い目にあった!編プロ選びの失敗事例

編集プロダクション選びのポイントを紹介しましたが、中には「とにかく予算重視で、安いところを選ぶ」という方もいるかもしれません。

確かに予算は重要ですが、安すぎると以下のような失敗につながることも。この章では編プロ選びの失敗事例を紹介します。

編プロ選びの失敗事例

ケース1:誤植だらけのいいかげんな編プロ

まずは「誤植だらけの原稿を納品するいいかげんな編集プロダクション」にあたってしまう例です。「人数が少なく多忙」「待遇が悪く人が定着しない」などの理由で、社内の教育体制・チェック体制がおろそかになっているのかもしれません。

執筆するライターが正確な記事作成を心がけるのは当然です。ただミスは起こりうるものですので、編集者・校閲担当者がきちんとチェックする体制を整えている会社を選びましょう。

またいいかげんな編集プロダクションですと、クライアントが指定したフォーマットや文体の指定を無視することもあります。外注することで、かえって手間がかかるのは本末転倒ですね。

ケース2:取材先に無礼な言動!非常識ライター

「取材先に無礼な言動をとるライター」にあたってしまうケースもあります。例えば「会話が苦手で、取材・インタビューがスムーズに進まない」「取材先との連絡を怠る」「取材の待ち合わせ時間に遅れる」などです。

取材テーマの勉強が不十分なライターも、取材対象者を「こっちはわざわざ時間を割いているのに、知識ゼロで取材しに来るのは失礼だ」と不快にさせてしまうでしょう。

この場合「編集プロダクション自体に取材記事の実績があまりない」「編集者がライターの能力や適性をきちんと把握していない」といった可能性が考えられます。

「取材記事の実績が豊富なライター」「取材テーマについての知識があるライター」を手配できる編集プロダクションなら安心です。

ケース3:編集経験皆無のライター集団

「編集プロダクション」と名乗っているものの、実際は「編集経験がないライターばかりの集団」にあたってしまうケースもあります。

実は編集プロダクションで働いた経験があるといっても、「記事作成しか経験したことがない」といった人も多いのです。ライターと編集者の仕事はまったく違いますので、きちんと企画・ディレクションができる人がいないと、納品物のクオリティは低くなります。

例えば「各ライターが書いた記事を寄せ集めただけ」なのか「編集者が校正・トンマナ(コンセプトや文体の一貫性)チェックなど品質管理している」のかで、最終的な仕上がりは大きく変わるはずです。

まとめ

出版業界の変化は、編集プロダクションの在り方にも影響を及ぼしています。出版社のパートナーとして、編集プロダクションがこなす仕事は多岐にわたり、企画や取材、校正など、編集プロダクションの関わり方はケースバイケースです。

ただひとつ、共通していることがあります。それは、より質の高いコンテンツを発信するために最大限の努力をする、という点です。有名な文学者であれ、企業の戦略担当者であれ、誰かが強く「伝えたい」と願っていることを、最高の形にする仕事が「編集」です。編集の根本となるこのコンセプトは、媒体が紙からデジタルへと移行しても変わりません。

編集プロダクションはコンテンツ制作において心強いパートナーになってくれます。しかし選び方を間違うと、「クオリティが低い」「余計に手間がかかる」「取材先に迷惑をかける」などの失敗につながってしまうことも。

「なんとなく」「予算だけ」で選ぶことなく、制作したいコンテンツに合った編集プロダクションを選びましょう。この記事が編集プロダクション選びの参考になれば幸いです。