untrace.inc

https://untrace.co.jp/wp-content/uploads/2023/11/ai-writing-i.jpg
AIライティング

AIライティングって実際どうなの?編プロの編集者が正直にレポート

ChatGPTの登場でAIへの注目が一気に高まりました。ChatGPT以外にも様々なタスクをこなしてくれるAIツールが開発をされていますが、ライティングに特化したサービスも登場しています。

しかし実際に「どれくらい正確なのか?」「仕事で使えるような精度なのか?」「どういった使い方ができるのか?」色々と疑問をお持ちの方も多いとでしょう。そんな皆さんのためにAIライティングができることや苦手なこと、実際に使ってみた感想からおすすめのAIライティングツールまでご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

AIライティング

なぜここまでAIライティングが話題なのか

AIライティングとは人工知能を用いて文章を自動生成する技術です。人工知能の自然言語処理技術を応用し、大量のテキストデータを学習して言語のパターンを理解することで、人間が書くかのような文章をAIが作成します。

AIライティングは英語圏の方で発達が顕著でした。日本語は文法やニュアンス的に難易度が高いため、自動生成された文章には不自然さが残ってしまうので今までのAIライティングでした。しかし昨今では、日本語であっても非常に高い品質を実現することに成功しています。

その結果、革命ともいえるほど、人々の生活や仕事に生産性に影響を与えつつあり、大きな話題となっているのです。

AIライティングの登場背景

今日におけるAIライティングの歴史は、1950年代に出版された「計算する機械と人間」が起源です。当初は文章の自動生成というよりも、コンピューターが推論・探索を行うものでした。当初は文章の自動生成はおろか、特定の問題に対して解決できる程度でしかなく、文章化は話題にもなっていません。そこから2010年代になり、ディープラーニング(深層学習)やビッグデータの活用が進み、AIライティングが実現できるほどに発展しました。

現代の人々は、AIライティングの恩恵を強く感じる環境にいるといえます。インターネットの登場やスマートフォンの普及により、爆発的に情報量が増えています。各企業はホームページや広報媒体を自ら立ち上げ、その情報の海に対して日々発信することを強いられたりするなかで、ライターを採用したりコピーライターを採用したり、制作会社にコンテンツ制作を依頼したりしています。

高品質なコンテンツを迅速に用意するにはそれなりのコストが必要とされ、情報化社会で各企業や人はコンテンツを生み出すことに追われ疲弊しているようにさえ感じています。AIライティングはこのような背景の中で誕生し、救世主たる存在になると考えています。

ライターの仕事は「執筆」から「プロンプト」に

従来ライターは、自らすべての工程を担当していました。
「テーマについて調査して情報を集める」「記事の構成を組み立てる」「ライティングをおこなう」「文章に誤字が無いか、構成校閲をする」などです。

AIライティングはこの工程のなかで、何を担当できるでしょうか。結論は、AIライティングは、これらすべての工程を担当可能です。

AIライティングは特定のテーマについてインターネットで情報を収集することができ、どのように相手に伝えるべきか構成を組み立てることができます。自然な文法によって文章を自動生成(ライティング)することができ、完成した文章の誤字チェックもAIによって実行します。つまり、従来ライターがおこなっていたすべての作業を代行可能です。
ただし、それは的確な“指示”を出す人がいればにはなりますが。

AIは人間から受けた指示を元に、文章を生成します。その指示のことを「プロンプト」と言います。

プロンプトとは、AIとの対話形式のシステムにユーザが入力する指示や質問のことです。AIが品質の高い文章を生成するためには、明確で具体的なプロンプトを使用できるかにかかっており少々テクニックがいる部分になります。話題のChatGPTに関する書籍やチップスには、「どのようにプロンプトを設定すべきか」そのノウハウに多くの章を割いています。プロンプトの事例集やテンプレートも作成&配布されていたりします。

このプロンプトの書き方一つで生成される記事の良し悪しが大きく変わってしまいます。これは単に細かく命令を出せばよいというものではなく、AIが理解しやすいプロンプトの書き方を学ぶ必要があります。AIライティングの強みをしっかりと理解をして利用することが大切です。

今後AIライティングがライターにとって代わって文章執筆を担うとするならば、将来のライターの仕事は、プロンプトの設定(AIへの指示出し)となり、プロンプトに詳しい人=(イコール)ライターという職業になる日もくるかもしれません。

AIライティングの登場により、ライターやエディターの役割が大きく変わりつつあります。ライターは従来のように全てを執筆するのではなく、AIに対する指示(プロンプト)の作成や、AIによって生成されたコンテンツの最終的な編集と品質管理の役割を担うことが重要となってきているのです。

日本語対応サービスの登場と企業の活用事例

日本でのAIライティングツールの先駆け的な存在として、株式会社デジタルレシピが開発した「Catchy」があります。今でも日本のAIライティングの代表格として名前が挙がるCatchyは、特にマーケティングに最適な文章を生成するAIとして、広告のコピーライティングをはじめ、ビジネスメールやWeb記事の作成など、生成ツールとして多くの利用者を獲得しています。

Catchyの他にも、日本語に特化したAIライティングツールは続々開発され、それぞれ強みや特徴を打ち出しながら展開をしています。「EmmaTool」や「BringRitera」はSEOに強い文章の生成が得意で、ネット記事の作成においてとても重宝されています。
またWordPressに対応し、ワンクリックで画像付きの記事を作成できるらいたー君」、100種類以上のテンプレートを備えた「SAKUBUN」といったツールも登場しています。

2023年にGPT4が発表されてから、AIの機能やサービスの数は飛躍的に増加しました。GPT4はそれ以前のバージョンであるGPT3.5に比べて大きく性能が向上しており、それによりAIライティングツールに必要な要素が補完されていきました。

具体的には

  • 出力できる文字数が5000文字から25000文字まで増えた
  • 指示文に対して回答の精度が高くなった
  • 日本語の精度が向上した

という点があげられます。

海外ではAIライティングツールを導入し、業務の効率化を行っている事例がたくさんあります。例えば、AirbnbやIBM、IKEA、Adidasなどといった有名な企業が業務に導入している話は有名です。
日本においても導入は進み、例えば、面白法人カヤック、NewsTV、M&A CloudなどはAIライティングツールの導入を公表しました。

AIライティングのメリットと強み

改めてAIライティングの強みと導入するメリットを整理してみました。

①スピード~大量の文字数を一瞬で~

AIライティングを用いるメリットとしては、その“スピード”がまずは代表的な特徴でしょう。ボリュームの多い原稿も短時間で作成することができます。

例えば5,000文字のコラムをライターに依頼をしたら、初稿が提出されるのにどれくらいの時間が必要でしょうか?2日か3日か…ライターのスケジュールにもよりますが、ある程度の日数が必要です。しかしAIライティングなら5,000文字程度のコラムが、ものの数分で完成してしまいます。

AIライティングは、24時間365日働かせられます。人間が作成すると集中力や活動時間を考慮しなくてはいけませんが、ルールや指示出しをすれば、常に一定の品質のコンテンツを作成し続けてくれるのは、“AI”ライティングならでは。人間が休んでいる間に大量の文章が完成してしまいます。

②アイデアの数~見出しやコピーなど~

文章作成だけでなく、「見出し」や「構成案」の作成もAIライティングで出力できます。テーマやキーワードが決まっていれば、構成から文章作成までワンストップでAIに任せることもできるでしょう。

記事を執筆する上で重要なのは「記事内容のリサーチ」です。人間が記事を執筆する場合、このリサーチが原稿作成の半分以上の時間を占めると言っても過言ではありませんが、AIライティングであれば短時間でインターネット上の情報を精査・要約し記事の執筆を行ってくれます。

また、コピーの作成にも長けています。人間であれば偏ってしまうアイデアも、AIでは多角的に幅広い案出しを行うことができます。

制作会社や広告代理店界隈では、とにかくこの部分におけるAIの貢献度が高いと聞きます。記事のタイトル、見出し、コピーについては、「まずはChatGPTでアイデア出しをしよう」という会社は多いのではないでしょうか。まずは20案、30案AIにアイデアを出させてから、人間が選定する。いままで自分たちで行っていた網羅的なアイデア出しや検証をAIに任せることで、大幅な工数の削減となるはずです。

知識やノウハウ不要でSEOに強い文章が作れる

ライターがネット上に投稿する記事を執筆するときに構成の段階からSEOの側面を考えて記事を執筆しますが、これには技術と時間が必要です。しかしAIライティングを用いれば少ない時間でSEO対策も簡単にできます。

実際にAIが執筆した記事がGoogleの検索上位をとっている例も多くなってきており、AIライティングツールが今後さらに進化していくことを考えればかなりSEO的にも重宝されることが予想できます。

AIライティングのデメリットや弱点

全て信じるのは危険。ファクトチェックが必要

AIライティングで文章を執筆する際は、その文章に記載されている情報が正しいものかどうかを確認する必要があります。AI自体は進化していて出力する情報の精度は上がってきているものの、100%情報が正しいという保証はありません。

実際にAIライティングを使用してみると、専門的でよりリサーチが必要なものになればなるほど情報の正確性が失われていってしまうため、AIライティングを活用する人間側もある程度知識を持ち、情報の正確性について判断する必要があります。

その日の最新ニュースをAIは知らない?

最新情報を用いた文章生成も課題となる部分でしょう。執筆当日にニュースで配信された内容を記事に含めることは難しいです。スポーツで優勝したチームのことについて、もしくは表彰を受けた科学者や文学者のトピックについて、AIに記事執筆を求めたとしても質の高い原稿は期待できません。あくまでもインターネット上のビッグデータの積み重ねと分析によって文字を紡ぐので、情報が少ない最新ニュースについてはAIは不得意なのです。

最近では、Web上の最新情報をもとに(PerplexityやPoeなど)文章を生成するツールも増えてはいます。
ただし、全てのAIライティングツールが対応しているわけではないため、最新情報が記事の品質に影響するテーマを取り扱う場合は注意が必要です。

体験談や感情の表現は苦手。AIっぽい普通な記事

AIライティングは簡単な文章であれば完璧に近いツールになりますが、創造的な文章は苦手な傾向にあります。これはAIがある膨大な量のデータを学習しているため、出力されるものがどうしても普遍的なものになりがちになってしまいます。

また口調や文章に関しても同じことが言えます。文章は文法的には正しいものが多いですが、人が文章を読んだときにどうしてもAIっぽさが抜けていない場合があります。文章自体も普遍的なものになることが多く、AIっぽさを読者に感じさせないためには人間が校正しなおすことも必要でしょう。
現在の人工知能技術では、全くのオリジナル文章生成は難しく、無機質な表現が多くなってしまいます。

例えば、プログラミングの失敗談をAIライティングに指示すると、以下のような文章が生成されます。

私は、プログラミングを学ぶためにオンラインのコースを受講しました。 最初は簡単な課題から始まり、徐々に困難度が乗り越えていきました。私は、何度も同じエラーを犯し、時間を無駄にしてしまいました。その結果、私はプログラミングに対して自信を見て、挫折してしまいました。
この体験から、私はプログラミングを学ぶ際に、以下のことを学びました。
エラーが発生した場合、自分で解決策を見つけることができるように、問題解決能力を養うことが重要です。
挫折を恐れないこと: プログラミングは、挫折することがよくあります。しかし、挫折を恐れずに、自分のスキルを向上させるために、継続的に学習を続けることが重要です。
コミュニティに参加すること: プログラミングのコミュニティに参加することで、他の人の経験や知識を共有することができます。また、コミュニティに参加することで、自分自身のスキルを向上させることができます。
以上が、私がプログラミングを失敗した際の体験談と、その経験から学んだことです。
参照元:perplexity

上記は、コンテンツとしてはある程度の品質ではあるものの、体験談としては典型的な印象があり、さほど参考にはならないでしょう。

体験談に必要な感情やオリジナリティが欠落している印象です。

ここで、感情を加えるプロンプト(指示)で再生成してみましょう。
プログラミングの失敗談を感情を使って書いて、以下のようになるでしょう。

私は、プログラミングの失敗を経験したことがあります。その時はとても、落ち込み、自分の能力に疑問を持ちました。
自分が書いたコードが思ったように動かなかった、イライラや不安を感じました。
また、自分が書いたコードが原因で他の人に迷惑をかけてしまったことに対して、罪悪感を感じました。
しかし、この経験から、自分のプログラミングスキルを向上させるために、より多くの時間を費やすことができました。
また、他の人に迷惑をかけないように、コードを書く前によく考えるようになりました。
このように、失敗から学び、成長することができました。
参照元:perplexity

先ほどの文章よりオリジナリティは出ているものの、校正が必要になるほどの品質です。このように、体験談やオリジナリティのある文章は、AIライティングの苦手とする部分であり、今後の課題ともいえるでしょう。

おすすめAIライティングツール3選・選び方

どのくらいの品質になるかは、無料プランやトライアル期間を活用し、同じプロンプトで内容を比較してみることをおすすめします。

選び方として、日本語対応のツールかどうかも視野に入れるべきでしょう。AIライティングツールは国内だけでなく海外製も多く、中には日本語への翻訳精度が低いものもあります。翻訳精度が低いと、当然生成される文章の品質も低くなるので、日本語対応のAIライティングツールを選ぶようにしましょう。

また、AIライティングツールの中でも、記事執筆なのか、SEO対策を行うのか、といった目的・用途に合わせた選び方も重要です。AIライティングを活用したいと考えた際、どのようなコンテンツ生成において導入するのかを明確にしましょう。操作性のよさについては、ツールごとに異なるため、ストレスなく使いこなせるかを重視して選ぶのが適切です。

日本語のコピーライティングなら「Catchy」

AIライティングCatchy

特徴
ー日本語特化のAIライティングツール
ー豊富なテンプレート
ー文章の精度が高い

日本語のコピーライティングをするならこのCatchyがおすすめです。
テンプレートも豊富であり、用途に合わせて様々な文章が生成できます。
デメリットとしては、ツールの数が多く初心者では少し使いづらいという点とどのプランを選べば良いのかがわかりづらい点になります。
料金は、無料プラン、一定プラン(3000円/月~)、無制限プラン(9800円/月)があります。

料金は高いが性能は良い「Jasper」

AIライティングJasper

特徴
ーシンプルで使いやすい
ー言語の翻訳にも対応
ー画像生成もできる

海外発のAIライティングツールながら日本語のライティングも高いクオリティでこなせます。翻訳にはDeep LというAIを使用しており、翻訳した文章が自然なものなるようにAIが調整してくれるのも強みです。またAIにお任せ完全自動生成機能と併せて、AIチャットと会話しながら細かく文章を執筆していく機能もあり、好みに合わせた使い方ができます。

デメリットとしては、性能が高い分料金が比較的高く設定されている点があげられます。
料金は59ドル/月~が基本ですが、5日間無料体験ができます。

SEO競合分析までお任せ「Frase」

AIライティングFrase

特徴
ーSEO対策に強い
ー複数のプランがある
ー日本語の執筆にも強い

Fraseの特徴はなんといってもSEO分析まで行ってくれる点です。通常記事を執筆した際は別のSEOツールを使用してSEO分析を行ったりしますが、このツールを使えばSEO分析までやってくれます。Googleサーチコンソールと提携することによってSERP分析を行い、競合分析まで一貫して行うことを実現しています。
デメリットとしては、記事数と文字数の上限があり、それを超えてしまうと新たな文章が作成できなくなってしまう点です。
料金は、1ドルで5日間お試し、14.99ドル/月で執筆と4記事SEO最適化、49.99ドル/月で執筆と30記事SEO最適化、114.99ドル/月で執筆とSEO最適化無制限という複数のプランがあります。

まとめ

AIライティングについてメリット・デメリットを踏まえて、いくつかのおすすめAIライティングツールを紹介しました。AIライティングはまだ発展途上であり、まだまだ人間が補っていかなければならない点も多くあります

現在においては、人間が定義したルールに沿った文章が出力されるようになっているものの、そのままで実用化できるほどには至っていません。校正ルールを設けて複数回にわたって出力させる、あるいは人間の手で校正するのが、現状でのAIライティングの利用方法です。

しかし、AIライティングの技術は頻繁に更新され、実用化できるまでの文章生成が期待されています。今後AIライティングの精度が高くなれば、より短時間かつ低コストで高品質なコンテンツが作成可能になるでしょう。そのため、早い段階からAIライティングの使い方やルールを設ける技術を身につけておくのが、活躍できる人材としての一歩であると考えます。

その特徴を理解していればAIライティングツールを活用して効率よく執筆が可能になります。

AIライティングツールのお試しプランを活用して、自身に合った使い方を探してみてはいかがでしょうか。